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【読書記録】『雨の日も神様と相撲を』読んだ

皆ご存知?城平京さんの著作です。

雨の日も神様と相撲を (講談社タイガ)

雨の日も神様と相撲を (講談社タイガ)

 

 ↑これやで(西濃)

 城平京さん、最近は『虚構推理』の原作として有名なのかな?アニメ化もしましたし。
個人的にはスパイラルとヴァンパイア十字界の印象が強い。ガンガンの民だったので。

『虚構推理』は未だ漫画しか読んでいませんが、明らかに面白いので読んだほうが良いです。ヒロイン、ヨゴレみたいな言動してるけど魅力的。
ヒロインの可愛さが伝わりやすいのは鋼人七瀬 編以降の短編集寄りになってからかもしれない。

そんなこんなで作者買いした『雨の日と神様と相撲を』ですが、良かった…。

本の本題

あらすじ

両親に相撲をばっちり仕込まれた体の小さな少年、文季が両親の死をきっかけに叔父の住む田舎の村に引き取られた事から話は始まります。
その村では相撲好きなカエルが神として祀られており、事あるごとに相撲が行われています。そんな村で「お嬢さん」と呼ばれる少女…。彼女は文季が村に向かう際に見かけた娘でした。片手で原付を持ち上げている姿を。バケモンか?

そんな彼女からのお願いは何と…神様であるカエルに相撲を教え、真っ赤な外来種のカエルに勝たせて欲しいというものでした。
文季くん、相撲に関しては体が無い分、技術と知恵があります。心技体の心技だけある。

同時期、村にはもう一つ不思議な話がありました。
トランクケース詰めの遺体が発見され…そのトランクケースには真っ赤なカエルが入っていたのでした。
この推定殺人事件を調査しているのが文季を引き取った叔父です。
思わぬ関連性が見えてきた依頼と事件、文季はその両方を解決するべく…。

というお話です。

感想

あらすじ読むとミステリっぽいですね。
実際にミステリでは有るのですが、個人的にはミステリを土台にしたボーイ・ミーツ・ガール作品だと思っています。

作品のキーワードとしては「相撲」「カエル」「殺人」「青春」みたいになるんでしょうか。最後まで読むと、どう見たって結びつかないこれらの要素が無駄なく配置されていたことに気づきます。
正直序盤ちょっと主人公の理屈っぽさが鼻につく人もいると思うので、何とか乗り越えて欲しい。
でもラスト70ページくらいの色んな謎が一気に明かされ、読者が気づいてない裏の話すら説明されていくところの勢いは最高でした。
謎が解けていくのが最高ってやっぱミステリやん?って思うけど読めばわかるから!ボーイ・ミーツ・ガールの青春物だから!

今年読んだ中で一番の時速を感じた…って言おうとしたけど悩んでいる。『ずうのめ人形』読んでなければ胸を張って言えていた。そのレベル。

しかも読後感めっちゃ良かった。城平京作品だぞ、俺は裏切られるとばかり思っていた。
感覚的には、特殊能力のない『虚構推理』って感じでしたね。
一見意味のわからない怪異と人と関わり合いの裏にそれぞれの思惑があって、それを知ると全てが一貫していたことに気づく感じ。構成が上手すぎる。

漫画版もあるでよ

漫画版が今連載中ですので、小説はちょっと…て人には漫画をおすすめします。お嬢さんが可愛い。城平京原作の漫画作品、だいたい絵にも恵まれている印象。多分3巻、多くて5巻くらいでまとまるんじゃないかな。