kindleと猫と写真とか。

有川浩著『シアター!』読んだ

読みました。
おそらく完結しないであろう事が見えている作品(*1)を読むべきか……?という躊躇いはあったのですが、読むに至りました。
女性作家なの全然知らなかった、今ブログぱら読みして知りました。

そこら辺は然程気にすることではない思想の人間なので気にせず行きます、過去作品ですが『図書館戦争シリーズ』と『海の底』と『空の中』くらいしか読んだことがありません。あと『塩の街』か。

総評:やりたいことに一直線な人間はやはりどこか眩しく、羨ましく感じてしまう。そんな作品。

 

Kindle版無いんだよね、有川浩さんの作品。
電子書籍が良い人は多分Kindle以外はあった気がするので、そちらをご確認いただいて。

あらすじ


春川巧ってのが小劇団「シアターフラッグ」の主催。人気声優として活動している羽田千歳が劇団員になりたいと希望したのをきっかけに「楽しくやりたい」タイプのメンバーと「これを機に本格的にやりたい」と宣言をした巧側メンバーとで対立。
「楽しくやりたい」メンバーの離反へと繋がる。

「楽しくやりたい」メンバーの一人が300万もの赤字を建て替え、抱え込んでいたことが判明し、精算を求められた巧は兄、司へと支援を頼み込む。

なんとか司を説得するも、突きつけられた条件は貸す300万を2年で劇団の利益から返すこと。返済できない場合、劇団は即刻解散。

さて無事借金を返済し存続できるのか……?

というのが大体のお話。

感想戦


これはメディアワークス文庫の方針なのか、有川浩さんの作風なのかはわかりませんけど、読みやすかったです。
300万を返す(=公演での黒字を目指す)という大きな題があるのも大きいんでしょうね、軸がブレないので非常に読みやすいです。
でも10名程の登場人物がいながら誰も脇役感出ず、それで読みにくくならないのってすごいよなぁ……と読んでいました。

大前提として私は小劇団の世界を知りません。劇団員として活動したことは当然無いし、見に行ったことも無いです。劇団四季はあるけど、あれは特大。
そんな私の視点を支えてくれるのが兄・司ですね。常識的な社会人としての感覚を通して劇団の特に経営周りについて色々教えてくれます。
だいたいは問題点の指摘って形ですけどね。これも違和感なく読み進められた理由なのかな。

あとは何というのだ……?全登場キャラクターが一つのことを目指して頑張っているって一体感が読んでてすごく心地良いんですよね。
嫌味な人間がいないというか、勿論意見のぶつかりとかはあるんだけれど全員根底に黒字をあげるために~とか、より良い演劇のためにみたいな物があるのを感じるので。

 

そんな感じですね。
最初に言ったように多分完結しないから読むかどうかはおまかせすると言うか、ちょっと勧めないかもしれない。
1巻読み終わった時点で続きが気になってしまっていて、でも1巻で完結だよってすればまぁなんか自分を納得させられなくもない終わり方だから、2巻に手を伸ばすべきか悩んでいます。

読んで楽しい本だとは思うんだけど、こういう悩みを抱えることになるんだよってのはありますね……。有川浩さんの作品は他にもあるわけでね。あえてこの作品に踏み込まねばならないのかと言うと俺にはわからない……。でも面白くはあったんだよ……。