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はりはり鍋についての疑問

皆さん、はりはり鍋ってご存知ですか?

鯨を美味しく食べる手段の一つとして有名じゃないですかね?
ざっくり言うと鯨と水菜ばっか入れた鍋。
鯨と言えばはりはり鍋、はりはり鍋と言えば鯨。マジカルバナナが終わってしまう。

しかし、はりはり鍋の”はりはり”は水菜由来のはずなんですよ。

水菜を食べるときにハリハリッと音がすることからハリハリ鍋と名付けられたといわれている。

鯨のハリハリ鍋 大阪府 | うちの郷土料理:農林水産省

ってわけ。でも普通は主役に関連する名前を付けるはずじゃないですか?
牛鍋とか牛丼とか、すき焼きとかしゃぶしゃぶとかだって主役の肉をどう調理するかの名前なわけでね。

という訳で幾つか仮説を考えていきましょう。
ひらがなだとわかりにくいんで擬音語はハリハリってカタカナで書きますね。

  1. はりはり鍋は鯨以外のパターンもある。
  2. 実は水菜じゃなくて鯨由来のハリハリ

この2つがぱっと浮かぶところですかね。

1.の方ははりはり鍋の主役は水菜であるという話が正しいなら鯨以外もあるんじゃないの?という話です。
水菜は必須だけど、鯨は必須じゃないみたいなね。カツはトンカツのイメージ強いけど牛カツもあるし、必要なのは揚げてるところだよね…みたいな理論。

2.は実は鯨が主役なんやでパターン。あんま無さそう。
はりはり鍋の歴史は古代とかじゃないので普通に話してた内容が残ってるぽいし。

という訳で調べてみましょう。wiki様~。

大阪でよく食べられる[1]。「はりはり」は、水菜の繊維質によるシャキシャキとした食感から来た表現[1]。一般的な鍋料理とは違い、水菜と鯨肉(もしくは鯨肉以外の代用の肉)以外は何も入れない簡素な料理である[2][3]

はりはり鍋 - Wikipedia

ほうほうほうほう。一応鯨以外も可らしい。
ただ原初はやっぱ鯨っぽい。他の肉は代用言われてるしな。

という訳で2.鯨以外のハリハリ説を調べていきましょう。
まずハリハリの他用例を調べてみましょう。はりはり漬けってあったよな?

〘名〙 (噛むとはりはりと音がするところからいう)
① 切干大根(きりぼしだいこん)をいう女房詞
② 大根を細かくきざんで、酢・醤油に漬けたもの。はりはり大根。
多聞院日記‐元亀元年(1570)五月九日「香観房夏中参籠、鈴〈一対つけ物はりはり〉給之」
これぽいよなぁ~。1570年が流石に先でしょう。
野菜を食べた時にハリハリという音が出るという感覚があることが確定したので良しとしましょう。
水菜主役の鍋でええやん。とは思いつつじゃあなんであんな鯨前提感があるんやろなって話です。これがよくわからん。徳家さんが鯨料理の店っぽいから?
う~ん、いまいち納得いかんな~。水菜と鯨があったら鯨に目が行くのが人情とちゃうんか~?鯨料理の店なら尚更やろ~と思いつつ調べていくと…。

「主役は水菜です。文字通り、ハリハリとした食感が醍醐味。水菜のホロ苦さには、クジラのダシが一番よく合うんです」と大西さんは言う。ハリハリ鍋の名前は水菜の食感に由来している。

財団法人 関西・大阪21世紀協会 | 大阪鍋物語

 これです。主役は水菜で確定したのではりはり鍋です。
あくまで主役を水菜とした時に一番合う肉が鯨だったと。
※ちなみに大西さんてのは、はりはり鍋発祥のお店、徳家の女将さん。

本家にこう言われてはもう納得せざるを得ません。というか私が納得したので調査はこれでおしまいです。
疑問から生まれた話は疑問が解決すれば終わり。自然な話。