kindleと猫と写真とか。

【読書記録】『豚のレバーは加熱しろ』読んだ

豚のレバーは生で食べてはいけないはいけないということを学びました。
Kindle Unlimitedに入っていたので読んでみました。結構面白くてにっこり。

 というわけで今回読んだ本はこれです。

豚のレバーは加熱しろ (電撃文庫)

豚のレバーは加熱しろ (電撃文庫)

 

タイトルを見た時、イスラム教の豚を食べてはいけないって戒律が浮かびました。
元々は豚を生で食べてはいけない(=しっかり火を通すんやで)って生活の知恵から来ているみたいな説(諸説)を聞いたことがあったので。
そういえば豚のエキスを入れた弾丸作って、自爆テロを行うイスラム教徒をメタる弾丸って話があったんですが、あれどうなったんですかね?使われているのかな。

それはそれとして、今作は主人公が豚のレバーを生で食って倒れて異世界転生するところから始まります。
トラックから時代は進んだんだなぁ…。時代は進んだのに脳が退化していませんか???とにかく私が知る範囲で一番バカな理由での異世界転生です。

そして異世界転生といえば、チート!TUEEEEE!!!ハーレム!!!と相場が決まっている(偏見)のですが、今作は違います。
そもそも主人公が弱い。だって異世界に転生した彼は豚になっていたから。
意識は人間!身体は豚!生前はガリタイプのオタクだったらしい。次はオタクタイプの豚です。
特殊能力も特に無さそうな硬派な豚です。

ヒロイン(表紙左)の名前はジェス。サトリ能力持ちで、そのおかげで主人公はただの豚にも関わらず意思疎通が出来るんですね。
性格はものすっっっごい素直。
前述の通りサトリ能力持ちなので、主人公が(スカートの中…見えてる…)とか思ってても全部わかっちゃうのですが、その対策として主人公がとんでもない提案するんですよ。
「」ついていないところは地の文として、気にしないでくれって。アホかな?見えとるんよ。そしてそんな提案を受け入れちゃう彼女。素直過ぎん?誘拐とかあいそう。

受け入れてはいるんだけど、あくまで気にしないように頑張っているだけで見えてはいるってのが良いですね。
世界を救ったり、遠くに行くわけでもない。等身大な旅程でも楽しく読める理由がこの辺にあると思っています。
何というか、狼と香辛料に近い。広大な世界のちっぽけな人々って感じ。

主要人物に皆欠点があるのも良いですね。
主人公は豚だし、ヒロインは人を疑うことを知らないような娘だし。
他に登場する人も、圧倒的な能力を持っているようなキャラがいないので、各自頑張って何とかやっていける感じが好きです。
皆何かしら出来ないし、出来る事もその人だけで全部が賄えるわけではないっていう絶妙なバランス。俺TUEEどころか俺普通状態。
ちなみに主人公結構頭の回転良いんだけど、何でその頭があって豚のレバーを生で?悪友とはげに恐ろしきものよ…。

なんていうか、良い意味で主人公PTっぽくない空気の作品で好きでした。
後はジェスがひたすら可愛い。ブヒれる。ブタになったかもしれん。ブタの主人公視点で話が進むので、ブヒるのは自然。

読んでて置いてきぼりになるようなご都合展開も無く、すっきりまとまっていたので読後感良かったです。

正直なろうとか異世界転生とか敬遠してた節あるんだけど、これを気に読んでみようかなと思いました。
なろう系って家系ラーメンとか二郎みたいな濃い味付けの作品しか無いんでしょ?と思っている人は是非一回読んでみて欲しい。

豚のレバーは加熱しろ 1 (電撃コミックスNEXT)
 

 コミックス版もあるらしいですね。何か表紙見る限り豚(主人公)…でかくなった?